わんちゃんの困った行動(例えば、吠える、噛み付く、暴れたり、イタズラをする…etc)をわんちゃんに何とかして欲しい…と思う時、わんちゃんたちがエネルギーをちゃんと発散できているのか、その方法は正しくされているのか(科学的、理論的な裏付けがあるのか)考えてみましょう。

まず、エネルギーを発散させようというとき「運動する」ということを頭に思い浮かべる方が多いでしょう。「運動」をするにも、わんちゃんに正しいやり方と今の困った行動を増やしてしまうやり方があります。

例えば、「わんちゃんを走らせて疲れさせよう。」と考えたとします。どうやって走らせますか?

落ち着かせ、興奮させたくないのにこれは逆効果ですね

多くの場合、わんちゃんが疲れる程の距離を人が一緒に走ることは不可能です。となると、ボールやフリスビーを投げ、わんちゃんだけ走らせる…こういう方もいらっしゃるでしょう。この方法は、吠えたり、暴れてイタズラをしたり、噛み付くということをさせないための、正しいわんちゃんのエネルギーの発散のさせ方なのでしょうか。

ボール遊びやフリスビーは「小動物を追いかける」というわんちゃんの本能に働きかける遊びと言えます。本能に基いたわんちゃんの動きは考えてからのものではなく、むしろ体が勝手にそうしてしまうことが多いのです。こういう行動を過剰にさせ続けると脳内のアドレナリンという興奮作用のあるホルモンの分泌が盛んになります。

アドレナリンが多く分泌されると、、、

  • 神経質になる
  • 胃腸の働きに影響を与え、下痢・嘔吐を引き起こす
  • パンティング(ハァハァと荒い呼吸をする)。
  • 落ち着きがなくなりうろうろする。
  • 心拍数・血圧を上昇させる作用がある。

等の行動や状態が見られるようになります。ですから、アドレナリン分泌の増加を伴うわんちゃんのエネルギーの発散は、あまりお勧めできないのです。

では、できる限りアドレナリン分泌を伴わず、エネルギーを発散させる方法はどんなものがあるのでしょうか。その方法は、

があります。

1. 頭(脳)を使う

皆さんも経験があるかと思います。学生の頃、テストの前に集中して勉強すると、とっても疲れたり、眠くなりませんでしたか? わんちゃんも頭を使わせることでエネルギー消費をすると、動きのゆっくりとした、落ち着きのある子に育ちます。例えば、「ごはんが欲しい!」とジャンプして来たわんちゃんに「はいはい…。」とそのままごはんを与えてしまうと、わんちゃんは何も考えずごはんを獲得してしまいます。ジャンプしているのは自分より高い位置(お母さん達がわんちゃんの食器を手に持っている位置)の食べ物に近付きたい・・・ただそれだけです。

頭を使う・・・とは人が丁寧にわんちゃんに教えた行動をわんちゃん自身が、やってみることです。

「ごはんがほしい!」という子は、『いつもママがごはんをぼくにくれるとき、「おすわりっ」って言うな。じゃ、おすわりをしてみよう。』と、号令の前にわんちゃん自ら座る。とか、部屋から廊下に出たい子は、『部屋から出る時いつもドアの前でおすわりするな…、じゃ、座って待ってみよう。』と自分のやって欲しいことを、どうしたらママ達に伝えられるか考える。お留守番をするとき、『あ、ママがお出かけの準備をしているな。ぼくはいつもハウスで骨をもらってお留守番をするから、もうハウスに入っておこう。』etc。

飼い主さんにいちいち「おすわり!」「伏せ!!」と言われなくてもその都度わんちゃん自身が考え、人のやって欲しい事をやれる子になるといいですね。

2. かじる

生の骨(牛や鳥など)、牛皮でできたガム、牛のヒヅメなどをわんちゃんが集中してガリガリかじることはアドレナリン分泌を伴わず、エネルギーを発散させることができます。又、わんちゃんのペースに任せ、いっぱいかじったり、ゆっくりかじったり、前足で固定したり、家具などを使って骨を動かないように工夫したり…。上手にかじるための工夫もわんちゃん自身がするので、同時に頭を使う事にもなります。その間、飼い主さんは家事をする、外出する…等の時間をもつことができるのもお互いのメリットですね。

3. ニオイを嗅ぐ

老犬になると、視力や聴力は一般的に衰えますが、嗅覚は一番衰えにくい・・・と言われています。それほど嗅覚はわんちゃんにとって大切なものです。

お散歩に出したら皆さんのわんちゃんはどうですか?ただ歩いてるだけ・・・?この嗅覚を十分に使ってわんちゃんの満足するお散歩にしてみましょう。

公園や植え込み等場所を決めて、わんちゃんが自由にニオイを嗅ぐことのできる時間を作ってあげます。「今日はもうタローくんが朝ここへ来たんだな。」「近所のエルちゃんはおなかが痛いみたいだな。」「あ、ネコがさっきこの茂みに来てたんだな。」etc・・・嗅いから様々な情報を得るはずです。嗅覚で得た情報を分析したり考えたりすることで、頭(脳)もよく使います

4. 十分な運動

お散歩は色々なものを見たり、嗅いだり、触れたりするとっても楽しい時間です。

わんちゃんのペースでぐいぐいひっぱられ、人がそれについて行くお散歩ではなく、のんびり、ゆっくり歩いたり時には少し走ってみたり・・・。もちろん、お散歩の行き先や時間、順路を毎回少しずつ変えてみるのもわんちゃん達にとってはとっても楽しいことです。

時間があるときには、公園にわんちゃん用の骨や蹄を持って行ってガリガリさせてみたり、その間飼い主さんは愛犬のかわいい姿を写真に収めたり、私達飼い主も愛犬との楽しい時間を沢山作りたいものです。

わんちゃんとのお散歩が終わりお家に帰って来た時、ごはんを食べ、お水を飲んで「あー疲れた。おなかもいっぱいになったな・・・。」と言って床にゴロンとしている姿が「十分な運動をした」目安になります。

私たちの大切な家族であるわんちゃんとより一層楽しく、又、心も体も充実した毎日を共に過ごせるよう、参考にしていて頂けたら…嬉しいです。